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水質調査

水質調査について


鑑定人:川野 田實夫
所 属:大分大学教育福祉科学部教授
専 攻:地球化学、陸水学
所属学会:日本地球化学会、日本陸水学会、 日本温泉科学会
社会的活動:大分県環境審議会委員、大分県水質審議会委員
大分市環境審議会会長、瀬戸内海研究会議理事

鑑定結果

表記地下水は、軟水でありながらカルシウムイオンが卓越する、特徴的なミネラル組成を示し、大腸菌群も検出されず、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素も検出限界以下で、人為汚染はなく、微炭酸を含む良質な飲用地下水であることを証明する。

以上、相違ありません。
平成16年3月1日

 

(1)人為汚染の程度

一般細菌、大腸菌群、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の試験項目は生活排水や家畜排水等の混入の有無を判断するための項目である。日本の清涼飲料水製造基準では、一般細菌は100/ml以下、大腸菌群は陰性、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は10mg/l以下となっている。この試験結果が示すそれぞれの数値は、基準値をクリアーするか否かは問題ではなく、この地下水に人為汚染が全く認められないことを示すものである。
また有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)は地表水等からの有機物を含む還元性物質の混入の有無を調べる項目で、10mg/l 以下が先の基準値である。この地下水の値0.2mg/l 未満(検出限界以下)は地表水等の混入の痕跡が無いことを示すものである。

  駄歌一首
  降し雨 岩に染み入り 身を磨き 処女(おとめ)のごとく 清く湧き出ず
                                  枕流

(2)火山性有害物質

湧水や浅層地下水の水温は湧出地域の年間平均気温に近い値を示す。天の命水の採水地は標高1120mに位置し、ストレーナーの深さは150mである。火山活動のない地域の地下水であれば、平均気温と地熱勾配を考慮してその水温は15℃前後になることが予想される。
天の命水の水温20.3℃は、それよりも5℃高いので火山性地熱の影響を受けていると判断しなければならない。その場合、この地下水の飲用の可否を判断するためには、火山性の有害発散物や火山性熱水の混入の有無をチェックする必要がる。そのための測定項目として今回ヒ素(As)と硫酸イオン(SO42-)を測定した。前者の値は0.001mg/l未満(検出限界以下)で全く問題はなく、後者の値4.71mg/lは日本の雨水42ヵ所の平均値4.5mg/l(地球のすがたと環境:多賀、那須、菅共著、三共出版、1999、pp57)とほぼ同値を示しており、火山発散物や熱水等の混入は認められない。

  駄歌一首
  泉水の 山ふところに湧く水は 火山(ひやま)のなごり 見せてやさしき

(3)ミネラル組成

飲用水の味に関係する成分のことを一般にミネラル成分と呼ぶことが多い。
この内訳は水に溶けている主要な陽イオン成分で、Na+(ナトリウムイオン)、K+(カリウムイオン)、Ca2+(カルシウムイオン)、そしてMg2+(マグネシウムイオン)で、市販されているミネラルウォターのラベルには必ずその値が記載されている。表1に天の命水と市中で販売されているミネラル水を抽出してそのミネラル成分とpH、及び硬度を対比させて示す。

 

pH

Na
(mg/100ml)

K
(mg/100ml)

Ca
(mg/100ml)

Mg
(mg/100ml)

硬度
(mg/1000ml)

天の命水

6.5

0.93

0.27

1.8

0.47

64.2

某ミネラルウォーターA

-

0.98

0.49

1.21

0.52

50

某ミネラルウォーターB

8.3

2.2

0.84

0.96

0.19

32

某ミネラルウォーターC

7.4

1.69

0.04

2.51

0.52

84

某ミネラルウォーターD

7.2

0.5

-

7.8

2.4

291

一般に日本のミネラル水は軟水が多くヨーロッパのそれは硬水が多い。水の硬度とはカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度から計算された値で、国内のミネラル水の場合その値は30〜90の範囲のものが多<、この天の命水もその範ちゅうに収まっている。
しかしながらこの地下水の特徴としてミネラル成分中、カルシウムイオンの占める割合が高いことが挙げられる。カルシウムの値を表中の4つの成分の合計量で徐した値は0.52になり、ミネラル成分中カルシウムが過半数を越えていることがわかる。因みに某ミネラルウォーターAではこの除数は0.38、某ミネラルウォーターBは0.23を示す。某ミネラルウォーターCは軟水でカルシウムに富むミネラル水と言われているようにこの除数は0.53となり、天の命水とほぼ同値である。
天の命水の水質特性は「軟水でありながらミネラル成分中でカルシウムが卓越する水」と表現できる。
カルシウムは水の味にコクを与える成分であると共に、人体の必須成分で栄養学的にも
重要な元素であり、ミネラル水の価値を高める成分である。

  駄歌一首
  柔らかき 姿に似らず 骨太の 素性頼もし 泉水の水

(4)pH(ピーエイチもしくはペーハー)

pHは水中の水素イオン濃度の指標で、7が中性それ以下の数値が酸性、またそれ以上をアルカリ性と呼ぶ。水のpHを決める成分は水中に溶けているCO2(二酸化炭素)、HCO3-(炭酸水素イオン)およびCO32-(炭酸イオン)である。天の命水のpHは表中に列記した他のミネラル水に比べて値が低い弱酸性を示しているが、これは水中に二酸化炭素(炭酸ガス)を溶存しているからである。筆者がこの水を一定時間撹拝して二酸化炭素を追い出して、RpHを測定したところその値は8.1を示した。二酸化炭素は水の口当たりをよくして飲用後に清涼感を与える成分であることから、古くからラムネ、サイダーといった炭酸飲料水に用いられ、現在でもスポーツドリンクなどにはこの二酸化炭素が添加され微炭酸飲料水として販売されている。 天の命水はまさに天然の微炭酸飲料水である。

駄歌一首
いにしえの 人の名付けし泉水の 御山が醸(かも)す 天の命水

 



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